2011年8月31日水曜日

8月晦日

今日で8月も終わる。
庭を歩くと、控えめな甘い香りが。
ギンモクセイの白い花が咲いたようだ。
キンモクセイのようなオレンジ色をしていないため、花としては目立ない。
ひっそりと佇んで咲いている。
ギンモクセイ
ここにも秋が来ている。

         
山に囲まれた場所に生活していると、いろんなものに遭遇する。
朝の庭先に落ちていたもの。
ミンミンゼミの死骸だ。
短い生涯を終えたらしい。

こうやって彼らの夏も終わりつつある。
ミンミンゼミ正面
間近で見ると緑色が多く、複雑な作りだ
ここを震わせながら鳴いていたのだろうか
羽も繊細だ





2011年8月30日火曜日

自然の偶然の意匠

ときどき自然は面白い意匠をデザインしてくれる。


        

今日は無人野菜販売所の日。
野菜の朝取りのために畑へ入った。
まだヒンヤリとした冷気に包まれた畑には、野菜の葉っぱに朝露が付いていて腕に冷たい。
そして朝陽に、キラキラと反射する水滴が眩しい。

        


と、しばし感動しつつナスを収穫していたら、見つけた。
二股ナス。。
一つの茎とヘタから見事にふたつのナスが出ている。
茄子としても色・形とも立派なものだ。
一つのヘタからふたつの実・二股ナス
左右均等の八の字、というより人の字
まだ少しだけ小さめなので、穫るのは止めて、写真だけ撮った。
明日か明後日には収穫しよう。

このような二股のナスはいろいろな方のブログで紹介されている。
たとえば、このブログ  ⇨ ハートのナス
みなさん、珍しく感じて紹介してくれているようだ。
そういう私もまた同じであるが。

しかしながら世の中にはもっとすごいナスがあるようで、なんと5本が付いた『グローブナス』が、前記のブログの中でも紹介されている。
笑撃画像 ⇨ グロープ茄子 

        


笑撃の画像に続いて、ちょっと神秘的な里芋の葉っぱに付いた朝露の写真をご紹介する。
写真をクリックすると大きな画像になるので細部までご覧頂きたい。
細かな水滴が滑り落ちずに留まっている
上の葉っぱの接写
金色は朝陽が反射したものだ
        


最後にこんな画像も。
売り場に並べられないキズもの・ハンパもので作ってみた。
目は赤く充血しているようだが、健康そうな笑顔だ
オクラ・インゲン・赤ミニトマト・ナス・黄ミニトマト・キュウリ

笑っている場合などではない。
第95代内閣総理大臣を決める首相指名選挙の国会中継が、今も延々と続いている。


2011年8月29日月曜日

ちょっとした試しみ

ズッキーニを栽培している。
ズッキーニは次の写真のような濃緑果皮のものが一般的でよく目にする。
だが、今育てている品種は見た目も鮮やかな黄色だ。
今年、試しに植えてみた。
一般的なズッキーニ
実に良く育ち、実が30cmになろうかという程に成長した(=ちょっと収穫の適齢期を逃したようだ)ので、先日の野菜販売所の店頭に並べてみた。
黄色いズッキーニ
食べ頃は20cm前後だそうだが30cmまで育ち過ぎてしまった


(このようなシロモノなのだが、収穫したズッキーニの写真を撮るのを失念したためここに紹介できないのが残念だ)
         


この田舎街では、まだズッキーニ自体がポピュラーではないのかもしれない。
ナスやキュウリのような伝統的な野菜ではない。

ついでに言うと、なにしろこの野菜販売所の購買者の平均年齢は70代後半(これは断言してよい)、すなわち人生の先達たちなのである。
ほとんどが腰の曲がった決して妙齢とは言い難いご婦人たち、早い話が地元の婆さまたちだ。
ズッキーニを初めて目にしたも人いたかもしれない。
この歳になっての未知のものとの遭遇は、積極的な意思をもって望むものではないのだろう。
ましてやこれが鮮やかな目も覚めるような黄色で、30cm級の大型の棒状の野菜ときた。
売り場では浮き上がって目に突き刺さるほど、自己を強烈に主張している。

どうやら彼女たち、怪しげなものでも見てしまったかのように、怪訝な顔をして一歩引いてしまったに違いない。
多分そうだろう、容易に想像がつく。
これだけ大きいと、成長し過ぎた野菜だと思うことだろう(実はそうなのであるが)。
そして味もきっと大雑把に違いないと考えても決して不思議ではない。
仮に名前ぐらい知っていたとしても調理法は知らないし、敢えて挑戦しようとは思わないのだろう。
むべなるかな。

『なんだっぺェ?  これ。   こんてに成り過ぎちったの出して、何考えてんだっぺ、まったぐ。 ほがに出すの、ながったんだっぺが?』

(参考訳 )
     = =  何なのこれ?   こんな成長し過ぎたものを出すなんて。何を考えているんでしょうね、まったくもう。(恥ずかしくないのかしら、農家なのにね) 他に出すものがなかったのかしらねぇ? 

などという彼女たちのつぶやきが聞こえてくるようだ。

◇文字にするとこのような、つまらないものになってしまうが、ご承知のとおりの茨城弁特有の語尾が強烈に上がるアクセントでこの濁音が多い言葉を聞くと、よりリアルに茨城を実感できるはずだ。


こちらとしても、この野菜を初めて目にする人もいるであろうと考え、前掲の写真のような野菜の説明書をプリントアウトして目に付く位置に掲示し、かつ、クックパドから代表的な調理法を印刷したものを野菜袋に同封までしたのだった。


         


やはりというべきか売れ残った。
まだこの地ではこの野菜を文化として受け入れるには早かったのかもしれない。

いや、田舎街でのちっょとしたカルチャーの変革を期待して、刺激を与えることがそもそも無人野菜販売所を始めた目的でもある。

『あの店には時々変わったものが出る』とか、『楽しそうだ、また今度覗いてみよう』、と思わせとしたら、まさに狙い通りだ。
第二弾はまだこのような状態だ
売れ残ったこの黄金皮ズッキーニ、その夜には我が家の食卓に上った。
ちょっと大きくなり過ぎていたようだった。
やっぱり。



2011年8月28日日曜日

夏戻る

今日は朝から快晴で、ギラギラの太陽が戻って来た。
やはりこうでなくては。
青空に映えるヒマワリ
大輪で威風堂々
玉川村駅前の野菜販売所のヒマワリ
販売所の100本が大輪の花を付け咲き揃った
やはり数が揃うと見事だ
ヒマワリの黄色を目で楽しんだ後は、耳でこれを楽しむべし。

目と耳の後には、クリーミーな泡、よく冷えた金色の麦種を舌で味わうこととしよう。

2011年8月27日土曜日

古代浪漫

今回のキーワードは、『大賀ハス』と『黒米(紫黒米)』である。


        

まずは『大賀ハス』。
我がファームの田んぼの片隅には、『大賀ハス』が植えられている。
我がファームの田んぼの大賀ハス
移植してから、残念ながら花はまだ一度も咲いていない
大賀ハス・・・千葉県にある2000年以上前の縄文遺跡から出土した蓮の実を現代に蘇らせたものだ。
大賀博士なる方が、その出土した種を発芽させ、開花に成功。
後に全国各地に根分けされて広まっているものだ。
幾つ根分けされた後かは知らないが、その子孫が当ファームにも根付いている、という次第。
ご参考 ⇨ 大賀ハス(wikipedia)

この稲作をしている田んぼの一角に移植してすでに4〜5年経つものの、残念ながらまだ花を咲かせるまでには至っていないが、毎年繁茂の面積は拡大している。
何をどうすれば花が咲くのか、調べてみようと思う。
花が咲けば、古代に思いを馳せることが出来る、まさに浪漫ではないか。


        

次に『黒米(紫黒米)』。
我がフチァームでは、古代米の一つであるという『黒米』(あるいは紫黒米)を栽培している。
厳密に言うと『古代米』という農学上の概念は無く、定義が曖昧のようだ。
一般に言われている『古代から栽培していた品種の米』として標榜される赤米・黒米・緑米などの色素米に限定する場合もあるようだ。

この黒米は、品種改良を続けた末に誕生しているコシヒカリなどとは明確に形状が異なり、(素人の感想だが)より野生の遺伝子を引き継いでいる米、原種の米のような感じがしている。
せっかく稲穂となっても米粒として残る部分は低く、歩留まりが良くない。
生産性はとにかく低いと言わざるを得ない品種だ。
ではあるものの、味覚に優れるため毎年生産している。
黒米の稲穂
籾の色も紫色だ 
右が黒米
左がコシヒカリ
明らかに別の品種であることがわかる

通常の白米に、黒米をほんの一握り(2〜3%)混ぜて炊くと
美しい紫色の染まったご飯になる
米粒は細長い
濃い紫色だ
黒米はモチ米の性質を持つため、炊き込んだご飯はややモチモチ感が出る。
冷めても非常に美味いので、おにぎりにして食べている。
ぜひともお勧めしたい逸品の米だ。


2011年8月26日金曜日

晩夏の実りを愉しむ

8月も末であり、いつもであれば残暑厳しい折りだが、今年は雨続きの8月の最終だ。

好天が続いていれ来週あたりから稲刈りを初めようかとも思っていたが、この雨の影響で田んぼが乾かないので様子見とならざるを得ない。
稲穂の垂れ具合と天と、双方を眺める日がいましばらく続きそうだ。

         

プラム狩りに先月お越しになった千葉の黒岩様が、お勤め先の同僚の植田様と共にブルーベリーの摘み取りにご来園になった。

お二人が玉川村駅に到着された正午には、小雨が降ってはいたものの直ぐに上がり蒸し暑くなったものの日光の照りつけは無く、絶好の摘み取り日和となった。

雨続きで気温が上がらなかったせいか、ブルーベリーの実は熟すペースがゆっくりとなったようだ。
まだまだ見るからに大粒の実が撓わに枝についている。
先ほどの雨に濡れている
どの枝にも食べごろの果実が鈴なりだ
摘み取りに先立って諸注意をご説明申し上げたものの、ここを訪れる皆がそうであるように、説明を聞く間も惜しいように興奮気味に摘み取りを始められた。

感嘆の声が上がる。
上下左右のいずこにも摘み取ってもらうのを待つ大粒の実が揺れており、目移りしてしまうほどた。
だれしもが子供に戻る瞬間のようだ。
しばしハシャギながら、まさに最後となる完熟粒の甘みを堪能されたようだ。
先月に続きご来園された黒岩様 
初めて来園された植田様
都会でのお勤めとあれば、このような自然の中で過ごすひと時は貴重かもしれない。
ただただ自然の中に身を置き、風を感じ、汗をかき、大地の匂いのする空気を吸い、いま摘み取った美味しい果実を頬張る。
この瞬間の幸福感は何物にも代え難いものに違いない。
へんな理屈や講釈は不要だろう。

         

湿った風がブルーベリーの樹間を吹き抜け頬を撫でる。
頭上では、逝く夏を惜しむかのようにツクツクボウシが一段と大きく鳴く競う。
こうやって2011年の夏が終わろうとしている。


2011年8月25日木曜日

常陸秋そば栽培 (その2)

8/21に播種して4日経った常陸秋そばの畑の様子である。
この間ずっと雨模様で発芽を心配していたが、どうにか生え揃ってくれて安堵した。
常陸秋そば 播種4日目
成長にバラツキはあるが全面で芽が出た
常陸秋そば 播種4日目
背丈は4cmほどの双葉
蕎麦は成長が早い。
成長の様子は随時報告したい。

(参考  :  8/21の播種時)

2011年8月24日水曜日

ヒマワリ咲き揃う

ここ数日は雨模様で、あのジリジリと焼けるような夏の太陽が姿を見せない。
灼熱の日差しが似合うヒマワリなのであるが、曇り続き・雨続きの中で、なんとか咲き揃った。

あたり一面、濃く強く緑が支配している景色の中で、この黄色はよく目立つ。

黄色は、明るさや希望などをイメージさせる色だ。
この色を見ると脳の活性化が期待できる、と言っては言い過ぎだろうか。
もっと極論すれば、身体の新陳代謝を活発にし活動的にしてくれる気がする。


         

無粋な生物学的話だが、ヒマワリは大きな一つの花のように見えるが、実は幾つもの花が集まって花の形を作っている。
外輪に黄色い花びらをつけた花を舌状花、内側の花びらがない花を筒状花、と呼ぶ。

         

筒状花の部分をよく見ると宇宙を感じる。
中央に吸い込まれてゆくブラックホールの渦のようでもあり、中央から湧きあがり広がり続ける小宇宙のようでもある。

そして、はたまた曼荼羅図のように見える。
         曼荼羅の世界

ヒマワリの中心部

この曼荼羅の世界では、花粉にまみれたミツバチが忙しく動いていた。

2011年8月23日火曜日

PDCA(Plan-Do-Check-Action)

ここ数日は雨続きの天気で、涼しい日が続いている。
そして激しい雨とともに風も吹いた。
刈り取りを間近に控えている稲は、一部ではあるがこの風の影響で倒れてしまった。

とりあえず米の品質には影響ないものの、刈り取り作業の負担がより掛かるようになるので厄介である。
自然のなせる仕業とはいえ、やはり腹立つものがある。


既に田んぼは稲刈り作業に向けて、出水口を開き水を切る(土を乾かす)手はずを整えている。
この雨が田んぼに流入しても、すぐに流れ出てしまうことだろう。
あと3〜4日すれば表面が乾いて、稲刈り機が支障無い程度に落ち着いてくれることと思う。
穂の状態と土の状態とを睨みながら、刈り時を注意深く窺っている。


        

稲作とは、実に手間がかかる作業だ。
これらの1年を通しての稲作の労働を、米の原価計算に反映させたらとんでもないことになるはずだ。
であるが米価は驚くほどに安く、補助金をもらっても間違いなくペイしない。
農業は、経済行動としての合理的な説明は不可能だ。
利潤追求の行動としては、到底成り立たない不合理なものだろう。

ではあるが農業を続けているのは、環境保全の意味合いも当然あるが、食糧安全保障の意味で(せめて自分たちだけは)自給自足したいという思いと、趣味というべきか楽しみを農作業の中に見い出しているからに他ならない。
どんな事態が発生しても、この土地と設備さえあれば自足自給してなんとか生きてゆける。
3.11で実証済みだ。
これが農業者の強みだろう。

        

今日は、同じ市内で同じく農業をして(楽しんで)いる親戚の親子2人が、ブルーベリーの摘み取りに来てくれた。
実を摘み取りきれずにいるため、お誘いした。
同じ市内で近隣ではあるのだが土壌が違うのであろうか、ブルーベリーの樹の生育はあまり良くないという。
当地のこのブルーベリーの撓わに実った完熟果実を見て驚いていた。
この地の酸性の土壌が、よほどこのブルーベリーの樹には適合しているとみえる。
一緒に摘み取り作業をしながら、晩夏のひと時を楽しんだ。

        

摘み取りが終わってからの、お茶を飲みながら情報交換の時間もまた大切なひとときだ。
野菜の育て方の工夫、種の播き方育て方、防虫の仕方、肥料の施し方、栽培している新しい野菜品種のこと、等々。
上手に育てている人の話には思わず身を乗り出してしまう。参考になることばかりだ。


農業はひとりでやるよりも、みんなで楽しくやったほうが断然面白い。
悲しいかな、一人では経験できることはひどく限られるが、みんなの夫々の経験を参考にすれば、失敗も成功も共有できて、なにより時間が短縮できる。
農業は、土作りから始まり収穫まで、とにかく結果が出るまでの時間がかかる。
月単位の仕事であり、気象状態に大きく左右されてしまう。
できれば失敗はしたくないのが人情だ。
だから、この情報交換のひと時も大切な時間だ。
実体験はやはり説得力が違う。

        


農業は、とてもクリエイティブな仕事だと思う。
いろいろな知識を要求される。
土壌学・地学・気象学・生物学・化学・植物学・動物学・薬学・・。
それも理論ではなく、応用実学としてだ。
実践して結果を出すことを要求される。
もっともっと上手に栽培するための創意工夫も大切だ。

そして、この工夫には完成というものが無い。
仮に上手にでき満足したとしても、今後も常に上手に栽培できるとは限らない。
むしろ失敗の方が多い。
計画し、実行してみて、結果をチェックして、反省すべきことは反省し、再度試す。
世間で実行されているPDCA(Plan-Do-Check-Action)とおなじものが、この農業にはある。
もっと上を行く生産者がいる。
きっと常に創意工夫を忘れずに、日々奮闘されているのだろう。
上手に農業をしている人は、自然にこのPDCAを行っている。

さらには、最近では単に栽培するだけではなく、上手に消費者にアピールし、販売するスキルも我々に要求されつつある。
農業とは、とてつもなく奥深く、創造的でやり甲斐のある職業ではないのかな。
ここに楽しみもあり苦しみも有る。
難しいがやり甲斐ある仕事だ。

お2人は大きな満足とともに、籠一杯のブルーベリーを摘んで帰られた。

2011年8月22日月曜日

メノウ雑感

昨日常陸秋そばの種播きをした畑は、玉川支流の照田川という小川沿いにある。

いつものことだが、その畑で種播きの最中にメノウを拾ったので持ち帰った。
今日洗って泥を落としたところ、美しい紅色が現れた。
厚さは2cmほど
大きくはないが全体が均一の紅色だ
色の明度・彩度共にやや低いものの他色の混入が無く、今まで拾ったメノウの中では美形の部類に入る逸品だと思う。
濃く深い、落ち着いた色合いの紅だ。

先日拾ったような白の内に紅が縞で入り込むメノウも美しいものだが、このような単色のものも良い。

圴一のものが多量に出土するのであれば、きっと商業ベースにのり、宝石としての扱いもなされるに違いないが、このように・大きさ・色・型がバラバラで、偶然発見されるようなものでは到底無理だ。
偶然に出くわすから、どんなものが見つかるのかわからないから、逆に良いのかもしれない。


         

ハロウィンおもちゃカボチャの実が大きくなってきた。
いつくか紹介したい。
上だけ黄色く、白と緑の縞模様のもの
ややピンボケだが
全体に黄色くなるハロウィン・ミニカボチャ
凸起が回りにあるもの
白と緑の縞模様
上部に黄色い部分はない
食用ではないが、これらバラエティーに富んだ面白いカボチャが飾ってあるだけでも楽しいに違いない。