2012年6月29日金曜日

今年の果樹の生(な)りは・・

隔年結果(かくねんけっか)という農業用語がある。
果樹が一年おきに豊作・不作を繰り返すことだ。
ミカンやリンゴ、カキなどで顕著に見られるが、ほかの果樹でもある。
豊作年を表年(おもてどし)、不作年を裏年(うらどし)ともいう。
その原因は端的にいって樹が疲れるためだ。
生らせすぎ(摘果しないで生るにまかせておいたケースなど)や、無理な乾燥など極端な高糖化対策の反発として、樹は一作休んでしまうのである。

今年はこの裏年であるような気がする。
昨年の今頃にはどの枝にも無撓(たわ)わに青い実を付けていたプラムであるが、今年はほとんど実が見えず、葉の間を探してやっと見つけられる程度なのである。
(ほかの家ではどうだかは知らない)
今年のプラムはやっと見つけられる程度の結果
去年の豊作が嘘のようだ
同様に、梅も実が昨年よりはだいぶ少ないと感じている。

         

来月にはブルーベリーは収穫が始まる。
昨年当果樹園にお越しになり、これらの摘み取りを楽しんでいただいた皆様には、今年もご案内を差し上げる予定だ。
ブルーベリーは隔年結果が比較的少ないとの情報がある(・・他の果樹と同じようにあるとの情報もある)が、この冬に古い枝を強度に剪定したため、実は昨年よりはかなり少なめになっている。
(いままで手入れをしていなかったため伸び放題で、収拾がつかなくなっていたブルーベリーの樹であった。そのためこの冬に思い切って剪定してみた)
今年のブルーベリー
昨年よりも実は少ない気がする
正直言って、今年はの出来は不安である。

これも有る程度、自然の現象・摂理だから仕方ない。
樹にも都合があるのだ。
今年はゆっくり休んでもらって、来年に備えてもらうことにしよう。
なんとなく人間臭くもある。

2012年6月28日木曜日

ミツバチの巣箱の状況(ほぼ2ヶ月)


ミツバチの巣の最新状況である。
既に上から3段目まで達しているのが確認できた。
3段目の落下防止棒が隠れている。
我が巣箱の一段の高さはちょうど15㎝である。
最上部の天井からは、40㎝ほど下に巣が舌状に垂れ下がってきている計算だ。

今月初めに確認したとき(2012/06/08 ブログ)からみると、半月でほぼ一段分(15㎝)の巣が作られたようだ。

彼らミツバチが探すと、この万緑の中には花はまだまだあるらしい。

秋口には一番上の巣箱を切り離して採蜜しないといけない(・・・かもしれない)。
嬉しい誤算であるといい。
白い十文字の棒は最下段(上から4段目)の巣落下防止棒
その上の3段目棒は既にほとんど見えなくなっている
いるいる、夥しい数のハチが。・・塊となって蠢いている

2012年6月26日火曜日

堤の一部崩壊

去る19日〜20日の大雨で、我が家近くの溜め池の土手(堤)が崩れてしまった。

溜め池は一定水位以上になると脇の排水口から水が流れ出る仕組みになっている。
またこの日は大雨が予想されたため排水弁を解放していたのだが、追いつかず大量の水が堤を超えてしまった。
それに合わせて土手の斜面が崩れ、田んぼへ土砂が流れ込んだらしい(・・夜中の出来事である)。
幅15メートル、高さ2メートルほど。
ブログトップの写真である。
田んぼ側の斜面が崩れ、土砂が田んぼに落ちた
(手前のコンクリート部分が排水路)
満水時にこの堤に掛かる水圧たるや凄いものがあったのだろうし、古い時代の単なる土盛り工法の堤であるため、水分を含んで強度が一気に弱まったのだろうと思う。
その無惨な姿を見ると、いかにあの日の降雨が凄い勢いであったのかを改めて実感する。

         

我が先祖たちは、近くの山裾の土を削り、この谷間に土を盛って水をせき止め、溜め池を作った。
この築堤の時期は定かではない。
本家ならびに一族について遡れる限りの当地への土着推定時期からだが、江戸時代の中期から後期の時期、おそらくは1700年代の前半頃であろう。
重機も無い時代の人力だけでの土木工事である。
土地の生産性向上のためとはいえ、大作業・難作業であり大変な苦労と年月がかかったであろう。

以来、約300年ほどの間、我が先祖たちは代々この堤を大切に手入れして管理してきた。
おそらくはこのような損壊は一度も無かったのではないかと思う。
少なくともそのような伝聞はない。

         

修復工事はこれからの話だが、関係者(水利権者・土地所有者)のそれぞれの思いや立場の違い、置かれた環境が違い、話は一筋縄ではいかないのが現実だ。
(水利権者であるものの水田耕作を止めて久しい人もいるし、利用割合の違いも大きい。いずれにしても個々の権利意識・自己主張がとても強くなっていると感じる)

古くは皆が農業を本業とし、一族の中心である本家なり長老を核として結束も固く、地域の統制が効いていた時代があったのだろうが、いまやそのような時代ではない。
このような局面で、当たり前にあった(古き良き時代の)地域コミュニティが崩壊しつつある現実が露呈する。
壊れたのはどうやら堤だけではないようだ。

2012年6月22日金曜日

里山汚染メカニズム

梅雨入りしたあと、いかにもこの季節らしい雨の日が続いている。
先日は、例年より早めに襲来・上陸した台風が各地にまた災害の爪痕を残し、足早に通り過ぎた。
この地域では土砂災害などはなかったが、北茨城では今回も土砂崩れで被害が出たようだ。

おかけさまでというか、稲作についていえばこれらの降雨により水に困ることはまず無いのでありがたいが、一時に大量に降られるといくら保水力がある里山であっても限度がある。
しばらくすると、いわゆる鉄砲水が流れ、水路を超えて田んぼに及ぶ。
いつもの思いだが、晴れも雨も風も、ほどほどが一番良い。

         

またテレビ番組の話題となるが、一昨夜(6/20)にNHK総合でレビで放送されたクローズアップ現代を見た。
テーマは『"里山"汚染メカニズムを解明せよ ~福島農業・2年目の模索~』である。
『里山』という単語と『汚染』というあまり好ましくない文字との組み合わせが、関心をひいた。
・    NHKクローズアップ現代 2012/06/20

昨年、福島県の米から放射性物質セシウムが検出され出荷停止になったのは記憶に新しいが、どのようにして稲に吸収されたのか肝心なメカニズムが謎に包まれているという。
福島県内は、広く放射生物質が降り落ちたはずなのに、特定の田んぼの米から高いセシウムが検出された。
いったいセシウムはどう動き、どう稲に吸収されるのか。
植物・土壌・放射線測定など40人以上の専門家・研究者たちが専門分野を越えて集結し、総合的にアプローチしていった経過をリポートしたものだ。

謎の解明を難しくしてきたのは、豊かな物質が循環し米に作用する里山の複雑な生態系なのだとか。
結論から言うと、落ち葉や雑草等が表面を覆いやすい山に近い環境にある田んぼで、原発事故直後に落ち葉など有機物に降り積もったセシウムが、夏に水田の温度が上がったことで急速に(落ち葉等の有機物の分解が進んだことで)溶け出し、発育段階に有る稲に吸収されたということだ。
意外にも、田んぼの表面土に降ったセシウムの多くは土中の粘度に吸着され、稲の根からはほとんど吸収されていないのだそうだ。
山から流れ込む沢水については、予想したほどはセシウムを含んでいないとのことだった。
いろいろ難しい話もあったのが、里山は極めて豊かな自然環境が複雑な生態系を作り出しており、極めて解明が難しいとともに、対処も困難であるということだ。
そんな自然の織りなす『複雑系』の中に、人工の迷惑化学物質が入り込んだのだからややこしい。

         

豊かな自然の恵みを受けてこの地域で農業を営んできた人々は、できるだけ科学的な処理はしない農業をしてきた人たちだろうと思う。
とくに、いわゆる有機農法に重点を置き実践してきた人は、その有機物そのものが汚染されてしまった故に、対応の術がない。
まさに死活問題だ。
現場では研究が進み、いろいろな科学的な知見が積み重なってきているという。
ただ、里山は田んぼ一枚毎に環境が違うのが現実。
これらの知見をどうやって夫々の農家に普及させ、影響を極小化させるか、である。
番組では、田んぼ脇の水路に籾殻を詰めた袋を埋め込み水を濾過させてから田んぼに入れる農家が紹介された。
ただ、高齢化が進んで担い手不足の中山間地域では、このような方法もはたして何処まで可能か。
結局、この豊かな自然環境の中での農業を放棄する人が増えて、ますます荒廃してしまうのだろうと思う。
そもそも、原発事故がなくても長期的傾向として耕作放棄が進んできていた地域ではあるのだが。
問題の根は深い。

         

原発事故にあって、茨城県北部のあたりは放射性物質の汚染程度は低く、米作りにもさして影響が無かったのは幸いであった。
番組のなかで画面に映る里山の田んぼの風景は、まさにこの地域のそれとまったく同じだった。
この同じような環境で営農してきている彼らの姿に強い共感を覚える。
と同時に、いったん事故が起こると現在の科学では対処しようがない『原子力』に深いを疑念を抱かざるを得ない。
現代の人間が己の文明、生活の豊かさを追求するために利用した科学技術だが、自然に回復不能なダメージかけてしまった。
この取り返しのつかない負荷・負の遺産は、どうやって償うのだろう。
我々の子孫の代にまでその負の遺産は続く。
奢り高ぶって、科学を過信した現代人の末路である。代償は大きすぎたようだ。
やはり見習うべきは『自然』そのそものではないのか。

2012年6月15日金曜日

2012/06/15 金スマひとり農業 金スマメンバーがやってきた!!

本日(6/15)放映のTBSテレビの番組『金スマ ひとり農業』、いつもはスタジオにいてコメントしてる中居氏他のメンバーが常陸大宮市内某所にある渡辺ヘルムート氏の活動拠点場所を訪ねた内容である。
(金スマに先立つ20:00からは、NHK総合テレビでは『キッチンが走る! 』が放送されていて、今回は隣町である常陸太田市が舞台だった。この地域がこのように連続して取り上げられるなんて珍しい)

         

渡辺氏の新居作りもいよいよ最終段階に入ったようだ。

壁塗りやら柴屋根作りの手伝いの様子が伝えられたが、一般住居として、こんなこともするのかという驚きが正直なところだ。
まあつまりはTBSのテレビとして・番組としての・企画ものとしての演出でもある。
面白いのだが、費用的な面・期間的な面を考慮しなくても済むからこその内容である、などという冷淡な見方もある。
ワタクシなどは、この家はこの後が(維持管理が)大変だろうなぁなどと思ってしまう悲しい小市民である。
(本当に今後ずっとご両親と住み農業を続けるのだろうか?  さらにこのテレビ企画番組が続くのだろうか? などとも思う)

農業作業のコーナーは、一大イベントである、田植えでのひと騒動。
昨年に続き大勢が楽しげに田植えを手伝った。
大勢で、かつ短時間やるレベル(=規模)では、たしかに楽しい。

実際には皆が帰った後の残りの大半の面積を、渡辺氏が2日間掛けて手植えしたようだ。
全て手作業だったようだが、さすがに大変だっただろうと思う。
(残りを植えるこの部分は早送りでさらりと数秒放映されただけだが、ここが一番大変な部分だ)

楽しんで仕事をすることは、継続する上で必要な要素だ。
本格的な農業は、いい加減な気持ちではできないし続けられないことも事実。
だが、だからといって悲壮感を漂わせながらやるのでも辛い。

         

外で皆で食べていたお昼ご飯。
単なるおにぎりでも格別な味だったろう。
この開放感は田舎ならではだ。堪らない。。
こんな経験を簡単にできるのが田舎暮らしの良いところだ。
キャンプやハイキングで野外で食べる食事がおいしかった経験は誰しもあるであろう。

今週は、かなりの部分をこれら『食べ物』に時間を割いた放送だった。
米粉でのパン作り。石窯でのパン焼き。渡辺氏がはまっているカレーパン作り。
だいぶマメな彼だからこそできる一連の作業だが、テレビを見て興味をそそられる人も多かろう。
(実際に我々がこれをしようとすると、原料となる材料はともかく、機材から揃えないといけないのでハードルは高い。であるからひとり農業はさすがテレビの企画番組である)

         

今回は、スタジオで中居氏の後ろで足を組んで座っている女性たち『赤のみなさん』も渡辺氏の作った米粉パンのご相伴にあずかった。
この番組の映像を共に見て、この味覚を味い、少なからず心を揺さぶられ感動している赤のみなさんも中にはいることだろう(と思う)。

農業・田舎暮らしは楽しいことばかりでもないが、苦しいことばかりでもない。
いくら素晴らしいとはいえ若い女性がこの業に入り込むのは相当の勇気のいることだろう。カワイイとかキレイとかとは、とても言いがたい世界であるのだから。
その考えだけでやろうとすると前回ご紹介したNHK『晴れときどきファーム』となり、現実離れしてしまう。
だが、山形県には『山形ガールズ農場』という農業を専門にやっている若い女性だけの本格的な農業集団がある。
後ろ盾にはしっかりとした経営母体があり、都市のマーケットとしっかりと繋がりを持てているからではあるが、現代の高齢化・過疎化が進む我が国の農村部では、かなり特異な集団ではないかと思う。
山形ガールズ農場
彼女たちは単なるブームとしての農業ではなく、またお遊び感覚の農業でもなく、かなりの専門集団化して、つまりは農業をビジネスとして本気で頑張っているのである。
若い女性として魅力ある農業とはどうあるべきか、を常に考え、指向しているようだ。
『女子から始める農業改革』と『本気のナデシコたちが、日本の農業を元気にする』という逞しいキャッチコピーである。
どれもこれもが笑顔が素晴らしい彼女たちで、みな目がキラキラしている。
このような意欲有る若い女性の農業人口が増えることは嬉しいこと、望ましいことだ。

このような組織はまれだが、金スマ『赤のみなさん』のような今風都市生活者の典型である妙齢の女性達が、どんどん田舎に入り込んで(訪ねて・農業体験だけでも参加して)くれて、その精神的な豊かさに触れると、農村部そのものも、彼女たち自身も、なにかが双方で変わるのではないかと思う。
遠くなってしまった食の場と生産の現場が思いっきり近づくはずだ。
そのことで、日々の食生活そのものに対する意識や、ひいては生き方までが変化するかも知れない。

いつも思う。
この番組もそんなきっかけになれば良いなと。

         

余談ながら、スタジオジブリ映画『おもひでほろぽろ』(1991年公開)は、ガールズ農場と同じ山形県が舞台であった。
人生の節目を迎えた27歳の女性が小学校のころの自分を思い出しながら、田舎の人々と自然に触れ、自らの生き方を見つけていくまでを描いている。なかなか良いアニメだ。
Wikipedia おもひでぽろぽろ
YouTube おもひでぽろぽろ

田舎の自然は何も語らない。説教もしない。
ただ懐深くどんな者でも受け入れてくれやさしく包み込んでくれる。
じっくりゆっくり自然と対峙し、何かを聞き取り感じ取ったら良い。

・……・  GooglMapCode                    36.589508,140.293291

2012年6月10日日曜日

TBS『金スマひとり農業』 VS  NHK『晴れときどきファーム』

(2014/11/17追記)***********************************************************
 新『晴れ、ときとどきファーム!』について2014/11/17のブログに関連記事有り
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前回のTBSテレビ『金スマ ひとり農業』(6/8放送)は、短時間の放映ではあったが今年の夏野菜の作付等の奮闘の様子が紹介された。渡辺氏、今年はテンサイやマスクメロンにも挑戦しているらしい。
レンコン畑も整備されていよいよ本格的な栽培のようだ。
かように多様な作物を作り、その成長を見届け、最後にはそれを食するという体験をするのは、田舎で生活していても、このようにはなかなかできないこと。
うらやましい。

この番組のコンセプトは、ある程度本気で田舎の土地に入り込み、農作業を通じてその素晴らしさ・大変さを伝えるというものだろう。
それこそ本業の農家にしてみれば噴飯ものの部分もあるだろうし、そんなに甘いものじゃないというお怒りの部分もあるだろうが、これはテレビ局の番組である。
面白い要素・興味を引く要素を取り入れないと視聴率は稼げない。
重たい話題のドキュメンタリーでは決してないのであるから。

         

この渡辺ヘルムート直道氏による『金スマ ひとり農業』のように、泥臭く農作業に挑戦し、奮闘する農業バラエティ番組がある一方で、同じ農業を取り扱う番組ではあるが、『金スマ ひとり農業』や『ザ! 鉄腕! DASH! ダッシュ村』などとは対極にあるような、それはそれはオシャレで綺麗な若い女性が農業を愉しむ姿を紹介している番組がある。

その名を『晴れ ときどきファーム』という。
NHKのBS放送・日曜夜11時から放送されている。

正直に言うと、この番組を見ていると無性に腹立たしくなるのであるが、まあそれは個人的な感想であり、とり終えず脇に置いておく。

簡単に番組を紹介すると、MAXなる女性歌手グループが千葉県の外房にある『いすみ市』に古民家を借り受け、週末だけ農業をするというもので、毎週違うゲストが手伝いに訪れ、田舎暮らし・農作業もどきを一緒に愉しむ。

番組HP          晴れ ときどきファーム
MAXのHP     MAX OFFICIAL WEBSITE

とにもかくにも、テレビの中で歌い踊っているお嬢さんたち(AKB48の彼女たちよりはひと回り以上年齢は上のようだが)が、小奇麗な格好で田んぼや畑で作業をするのであり、『キャー~カワイイ!!』たら、『キャー~ ステキィ!!』の連発なのである。
とてもとても生業としての農業とはほど遠い。
当然ながら、週末以外の日の畑の管理は、地元農家の方にお願いしているようだ。

借り受けた無人古民家本体とその周りはというと、撮影用であろうか、きれいに手入れが行き届いていて雑草が茂っている様子など微塵もない。畑も然りである。
古い作りの家の中はもちろんだが、広大な庭や周囲の土手の除草も、ここまできれいにするのってとても大変なことなのだけれどなぁ、などとつい思って見てしまう。
完全にお膳立てされた環境で、週末だけそこに身を置いて『農業もどき』を体験する。
誰もがそのような特別な演出であることを理解している、とは思う。
ドラマだと思ってみればよいのであると。

いいことだけをオシャレに紹介する、まさに『カワイイ オシャレ農業』紹介番組。
字幕にもピンクの文字とやたらにマークが出てくる。
視聴者のターゲットは20~30歳台の女性のようだ。

同じ農業体験番組であるが、そのアプローチ方法も本気度も、TBSとは対極のNHK。
渡辺氏・・この番組、見ているだろうか?

         

このようにマスメディアがこぞって『農業体験』を番組にすることが興味深い。
自然体験、セラピー、スローフード、環境教育、ふるさと再発見、田舎暮らし、グリーンツーリズム、自然再生、里山保全活動・・・。
農山村では、あらゆる活動を通じて、人々は汗をかき、仲間を作り、自らの想像力を刺激し、達成感を味わうことができる。
分業化によって効率を追求してきた企業では発揮できなかった個人の能力がアウトドアでは発揮できる。
その大切さと素晴らしさに改めて気がついたか。

この類の番組が人気をもって続いていることは、ストレスの多い都市生活スタイルからの自然回帰の表れかもしれない。

祖父母の時代とは違って、都会生まれ、あるいは農業と距離のある生活環境で育った第三世代の若者たちにとっては、農業そのものも農山村も、珍しく面白い未知の体験場であって、ワンダーランドなのであろう。

きっかけも、アプローチ方法も、どんな形であってもよい。
自分たちが食べて命を長らえるための尊い『食物』に対して、関心と興味を持ち、少しでもそのありがたみを感じてくれればよい。

         

来週(6/15)の『金スマ』は、またひとり農業のスペシャル番組のようだ。
マスメディアに普段は全くと言っていいほど名前が出ない『常陸大宮市』が登場する数少ない機会。
決してオシャレではないこの番組の方が、より実際の田舎生活に近い(・・・とは言ってもテレビ映像的演出がたくさんあって、違和感も多々あるが)ので、今後とも楽しみにしたい。
せっかくだから、ときどきはNHKのBSの番組も見る。
(おっと、今日は日曜日で放送日だった)

2012年6月8日金曜日

ミツバチ 巣箱の中の様子(1ヶ月目)

ミツバチが巣箱に入ったのを確認してから、ほぼ一月が経過した。
毎日、朝昼夕、そこを通り過ぎる都度、(いやわざわざ見に行くととこもしばしばだが)、じっとミツバチたちの出入りを観察し、そして巣箱に耳を近づけては内部の羽音を確認している。
確かな音に着実に巣作りが進んでいることが分かり安心する。

そして、何と表現したらよいのだろう、こうやって毎日関心をもって接していると、蜜やら花粉を集めて健気に飛び交う小さな彼らが、愛おしく感じられて仕方ない。

            

そろそろ落ち着いてきて多少の振動などの刺激があっても大丈夫だろうと考え、いよいよ今日は、巣箱底部の底板を開けて、下に溜まったゴミの掃除と内部の確認をしてみた。

網がついた帽子を頭からかぶり、長袖のシャツを着て、両手には手袋という完全武装で底板を引き出した。
4段構成の巣箱。
上部には雨よけのトタン板と重しのコンクリートを載せている。
白いパン屑状の粉がたくさん付いていた。
引き出した板にもミツバチが止まっている。
突然の作業に驚いたハチたちがあたりを飛び回っている。
さて、箱内部の確認である。
板を外した底から、箱の上部に向かってコンパクトデジタルカメラを向けて撮影してみた。
箱の下から上を写したもの。
ハチが巨大な塊を作って巣を取り囲んでいる。
隙間から白く見えるのが巣本体で、5~6枚あるようだ。
この巣箱は4段構成である。十字に組んだ巣の落下防止棒はそれぞれの箱(段)に設置してある。
この写真から確認できたのは、下から3つ目の落下防止棒がほぼ隠れるくらい巣が作られている(成長してきている)ということ。
つまりは、この一カ月で上から2段めの巣箱まで巣が出来上がっているということだ。

(注)日本ミツバチの巣は、天井部分から下に向かって舌状に垂れさがるように作られ、下に下にと延びる。
はたして何匹いるのだろうか。
これだけが羽を動かしているのだから外まで音が聞こえるのも無理はない。
これだけの数のミツバチが、さも勝手に動いているように見えるが、何かしらのコントロールのもとであの整然とした綺麗な六角形の巣を作り上げてゆくのである。
不思議でならない。

            

この分で行くと、秋には最下段まで巣の先が延びそうだ。
とすれば蜂蜜採取ができるのではないかと密かにほくそ笑んでしまう。

となると、いろいろ採蜜方法やら道具やらを研究しないといけない。
ちなみにYouTubeではこの類の映像も各種アップされていてとても参考になる。

・  参考 →YuoTube 日本蜜蜂の採蜜 完全版

            

一方で、長ネギを作付けした畑の草取りを兼ねて、第一回目の土寄せをした。
この程度の面積でも、手作業での除草・土寄せはなかなか手ごわい。
雑草が畝の間を埋め尽くす。
左Before    右After
小さかった苗ネギも成長し、ネギ坊主をつけているのも多い。
ネギ坊主の間にしゃがんで除草していると、ミツバチが頻繁にネギ坊主に止まるのに気付かされる。


作業の手を休め、しばし彼らの動きを眺める。
どこのミツバチかは知らないが、『がんばれ』と声援を送った。

2012年6月4日月曜日

田の草取り〜 キシュウスズメノヒエ

田植えから一ヶ月経過した田んぼは、分蘗(ぶんけつ)という稲の成育過程にあり、葉も茎もだいぶ逞しく立派になった。
一層濃くなった緑の葉が青々と風にそよいでいる。

         

強くなった日差しを受けた田んぼの中の水は、ぬるま湯である。
そこはオタマジャクシ、カエル、ドジョウ、タニシ・ザリガニなど小動物たちの天国の様を呈している。
目には見えないものの微生物の活動も極めて活発に行われているのだろうと思う。
タニシの稚貝も無数に蠢いている
         

またこの時期は植物にとっても生長著しい時期で、困ったことに田んぼの周辺・田んぼの中の雑草も繁殖が激しい。
セリ・オモダカ・コナギ・ヒロハイヌノヒゲなどなど。

なかでも畔から田んぼの中に入り込む種類の雑草が悩ましい。
『キシュウスズメノヒエ』という種類か『アシカキ』という種類なのかは、ネットで調べてもいまひとつ区別できないが、おそらくは『キシュウスズメノヒエ』であろうと思う。
細い茎がどんどんと水田のなかへ伸び続ける。
伸び続け後、水田の中で根を降ろし、そこからまた四方へ勢力拡大を図るというヤツだ。
水田雑草について知る イネ科
畔から田んぼの中へ伸びてゆく
これを一株ずつ引っ張り上げ、根から鎌で剥ぎ取る作業を続けている。
意外と根がしっかりと地面にへばりついていて手強い。

炎天下での作業である。
地道に手作業で進めるしか手段が無い。
刈り払い機では残念ながら根元からの除去は無理だ。
遅々として進まず、田んぼ一周の長さを思うと目眩がする。

大規模の綺麗に整地された田んぼの畔にはこの類いの雑草などないであろうな・・。
そんな田んぼが羨ましく思う反面、この煩雑さと抱き合わせの雑草の豊かさも山間の田んぼの素晴らしさであるとも思う(・・思いたい)。