2017年5月22日月曜日

エビネラン

花の形も香りもいたって凡庸だが、日本ミツバチ愛好家にはつとに有名な「キンリョウヘン」という植物のラン(蘭)がある。このランの花から出される特殊なフェロモンはニホンミツバチを引き寄せる不思議な力がある。そのため、このランの花をミツバチの分蜂時に合わせて咲かせて、空き巣箱の傍に置いている愛好家は多い。ハチを誘き寄せることで捕獲の確率が断然高まるからだが、デリケートなランであり一年を通して育てることはなかなか難しい。加えて、咲かせるタイミングを分蜂シーズンに調整することが難しい。
かくいう小生も、数鉢のキンリョウヘンが手元にあるが、分蜂時にタイミングよく花が咲いた試しがないし、悲しいかな、枯れさせてしまったりもしている。けっこうなお値段がするランであり、もったいないことをしたものだ。
ここ数年は、キンリョウヘンのフェロモンを化学合成して作ったミツバチ捕獲用誘引剤を購入して利用している。こちらもお値段は張るモノだが、いつでも利用できる点に大きなメリットがある。
今年も、この誘引剤にはたいへんお世話になった。おかげさまでまずまずの捕獲ができている。
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我が家の庭の片隅には「エビネラン」というランが植えられていて、いまひっそりと花の時期を迎えている。目立たず地味な花だが、気に入っている。このランなどは全くほったらかしだが、毎年このように花を付ける。しかも次第に株数も増えて行っている。強い植物のようだ。
ちなみに、エビネランはキンリョウヘンと花の形も似ているのだが、こちらの花にはニホンミツバチはまったく興味を示さない。不思議なものだ。このランだったら面倒な管理手間はないし、分蜂時期に勝手に、しかもたくさん咲くのになぁ、と、ちょっとうらめしい。


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